儚き色 [回想]
時間は、ときに儚い。
何でもない琥珀色のバーボンウイスキー。
薄茶色に汚れたようなラベル(右)は、ある種セピア色。
25年ほど前に買ったもの。
古いからと言って、他人に価値が生まれるわけでもない。
日々の晩酌にその日に買った酒。
当時、“かみさん”と1歳に満たない長男の3人で住んでいた部屋に、父親が危篤という電話がなった。
開ける切っ掛けを失い。しばらく放置された。
ただ、それだけのこと。
その2・3年後マイホームというものを得て、床下収納に閉じ込めた。
目につくところにあれば、吞兵衛な私は簡単に開けてしまいそうである。
最初は気取って長男が成人したときにと思っていたが、
子供は4人に恵まれた。
いつしか、子供たち全員が成人したら呑むと、
無意味でもあるが無垢という“純”で小さな“夢”になった。
いつしか、亡くなった父親の年齢に近くなっている。
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